100円ショップで鼻笛(One Coin Nose Flutes)
2012.5
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鼻笛の心臓部は、口を除くと、歌口部分(ウィンドウェイの出口〜エッジ)です。これを正確に、再現性を持って工作するのは容易ではありません。そこで、既存の歌口を流用することで、簡単に、しかも安く鼻笛が作れないかどうか、試してみました。(2012年5月ゴールデンウィーク)
作業途中ですが、再開時機は未定です。
また、鼻笛は、非常に簡単な楽器ですが、国内では、米国で50セント〜1ドルで売られているオモチャのHumanatoneが400円〜600円で売られているなど性能の割に高価です。これも100円ショップの楽器から鼻笛を作れないか試してみた動機の一つです。
その1 リコーダーの頭管部の利用
100円ショップでリコーダーが販売されています。リコーダーとしての性能は不十分ですが、頭管部のエッジ部分は、魅力的です。
リコーダーの歌口付近の構造は、鼻笛と同じです。リコーダーでは、指孔のある下部の管の長さで音程を変えています。これを口で代用したのが鼻笛です。
頭管部は、そのままではエッジ部分は筒に覆われていますので、唇をくっつけられるように、リコーダーを切ってみました。
縦に切りましたが、このとき、図の右側、ウィンドウェイ側をさらに薄くなるように切る方が適当だと思われます。(始めてなので厚めに切りました)
このままでは、息の吹き入れ口が小さく中心にあるため、鼻息が入りません。むりやり、片側の鼻につっこんで吹いたところ、鳴らすことは可能でしたが、鼻も口も痛くなり不適当です。
手元に合った粘土で覆ってみたところ、多少鳴らしやすくなりましたが、柔らかい粘土なためまだ不十分です。
また、息の吹き入れ口とエッジ部分の距離が長すぎるため、鼻の下を伸ばして吹かないと鳴らせず、吹き入れ口側を1cm程度切る必要があります。
現在、吹き易く改良していないため、最終的な性能がどの程度なのかわかりませんが、Humanatoneや栓抜き鼻笛のNasenpfeife Pfaffを上回る可能性は十分にあります。
その2 スライド式縦笛の利用
100円ショップでは、スライド式の縦笛も販売されていました。トロンボーン式にピストンを出し入れして音程を変える笛です。
これも歌口部分の構造は、リコーダーと同じですので、鼻笛化が可能と考えました。
適当な場所で切ります。
裏側が膨らんだ部分を切り取ることにしました。
このままでは、小さすぎるので、鼻息も入らず、唇の両側も隙間が開いてしまいます。
ガムテープで、適当に覆ってみました。
ガムテープの貼り方は、甚だ不十分ですが、これでも鳴りました。
鼻息を入れる部分と、唇を覆う部分をさらに改良すれば、リコーダー鼻笛以上の性能が望める鳴りです。
エッジの横幅が狭く、鼻息の量が少なくて済む点も、日本の高性能木製鼻笛に近いと思われます。
その3 オカリナの利用
オカリナの吹き口部分を切り取り、同様に使用します。
近隣の100円ショップにオカリナがなかったため、未確認。
オカリナ的な音の出る高性能鼻笛のBocarinaに近い音が出るのかどうか?興味のあるところです。
その4 笛の利用
号令用などに使われる、普通の笛もプラスティック製であれば、利用できそうです。
現在、購入済みですが、未加工です。
鳴らすことは可能で、そこそこの性能は得られると思われます。
鼻笛が広まり吹く人が増える、または、学校などで教材として使われるようになり、100円ショップで1〜5個100円程度で高性能な鼻笛が売られるようになることを願います。
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H. Tachibana