GarageBandで尺八用カラオケ作成(下書き版)2006.8-9 立花


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Appleの最近のMacに標準で付いてくるガレージバンドGarageBandは、ループやミックスによって簡単に曲を作れるというのが本来の機能/使用目的で、そのように宣伝されているため、MIDIで音符を入力/修正したり、既存のMIDIデータを読み込んだりする機能はあまり知られていません。また、MIDIデータをGarageBandが持っている音源によってオーディオファイル(音楽CDに焼ける)にすることも簡単にできます。市販されていたりネット上にある膨大なMIDIデータからボーカルパートを消して音程を変えてカラオケを作るというような用途にも十分使えます。

Macintoshを使えば無料で、尺八演奏用のマイナスワン(カラオケ)が作成でき、Macは、尺八に優しいコンピュータです。


●音符の入力まで

GarageBand3を起動すると(Ver.2でもほぼ同様)、下記の画面が現れます。
 
ここで、一番上の[新規ミュージックプロジェクト]を選びます。

 
プロジェクト名(ファイル名)をつけて、とりあえず、テンポやキーは、そのままにして、[作製]を選びます。
 

最初は、(MIDI用の)グランドピアノのトラックが、一つ作製されていますので、これをそのまま使ってみます。 画面下の左から3番目の(トラックエディタの表示/非表示)ボタンを押します(これの一番右)。  すると、下記のようなグランドピアノのトラックに音符の入力等の作業を行なうためのウィンドーが開きます。
 
# 入力の機能は、(本来の目的とされていないので)あまり優れていません。

音符を入力するには、先に入力可能な領域をつくる必要があります。コマンドキー(アップルマークキー)を押しながら、グランドピアノのトラックの空白部分をクリックします。すると、1小節分の四角い編集可能な領域が現れます。(この四角の右端をクリックすると編集可能領域のサイズを変えることができます。これを単位として、コピー&ペーストができるので、ループなどが簡単に作り出せます。)
 

同時に、画面下に、1小節分の入力可能な領域が出現します。 この中で、コマンドキーを押しながら、クリックすると音符を入力することができます。 このような表示法をピアノロールと言います。ピアノを縦にしたように、音は上側が高くなっています。 一つの音符の右端をドラッグすると音符の長さを変えられます。上下に動かせば、半音ずつ音程を変えることができます。
 

入力画面は、ピアノロールだけでなく、五線譜にすることもできます。
 

音の強さ(鍵盤を叩く強さ:ベロシティー)は、音符を選択してからベロシティーのスライダーで調節します。 シフトキーを押しながら複数の音符を選択して、一度に設定することもできます。
この五線譜は、横長の入力/表示用のみに作られていて、印刷用には使えません。(上位版のLogic ExpressやLogic Proならば可能です)

楽器を増やしたいときには、メニューから[トラック]ー>[新規トラック]を選びます。 マイクやCDなどから音を取り込んだトラックを作ることもできます。


●オーディオファイル化
メニューの[共有]ー>[iTunesに曲を転送]で、MIDIと音声トラックなどをオーディオ(音声)ファイル(AppleのAAC形式で圧縮された)とすることができます。
AACの圧縮比率(ビットレート)は、メニューの[GarageBand]ー>[環境設定]ー>[書き出し]でモノラル32kbpsからステレオ192kbpsまで4種類から選択できます。
[共有]ー>[曲をディスクに書き出し]によって、AIFFファイルが作製できます。(このファイルは、音楽CDとしてCD-Rに書き込めます。Windowsで言うところのWAVファイルと同等のファイルです)


●カラオケ製作
既存のMIDIファイルを読み込むには、MIDIファイルのアイコンを画面上にドロップします。 ドロップした場所からMIDIファイルのトラックが開始されます。
一番上の最初からあるグランドピアノが不要な場合は、グランドピアノをクリックして選択してから[トラック]ー>[トラックの削除]でトラックごと消去して下さい。
 
(例として読み込んだのは、海外サイトにあったABBAのThank You for the Musicです)

カラオケにしたい場合には、メロディー楽器の音を切るか、音量を下げます。5個並んだボタンの 右端をクリックして、音量を0dbから少し下げます。(ここで言う音量は、楽器で一つ一つの音を出すときのアタック(ベロシティー)の強さではなく、トラック全体の音量です。実際の楽器では、音量によって音色も変わります。現実の楽器に近づけるために、ベロシティーの値によって音色を変えるように作られている音源もありますので、全体の音量の設定にはベロシティーを使うと適当でない場合もあります。)
 

声や楽器に合わせて全体の音程を上下させたい場合には、手早い方法として、マスタートラックの設定の変更があります。
メニューから[トラック]ー>[マスタートラックを開く]を選び、一番下の
 
から、キーを操作します。


●音程を変える、他の方法
調を変えただけでは思った音程に変更できない(下げたいのに上がってしまう、楽器によってはオクターブを変えたいなどの)場合には、トラックごとに操作することもできます。
トラックを選んでから、   の右端のボタンを押して、ピアノロール表示の画面を開きます。ピアノロール画面で、音符をCommand-Aで全て選択してから上下に動かして音程を変えます。これを一つずつ、全てのトラックについて繰り返す必要があります。
ただし、打楽器のトラックだけは、"音程"を変えてしまうと、打楽器の種類が変わってしまうので変更してはいけません。


さらにiMovieと組み合わせれば、ロツレチや歌詞を表示させたムービーを作ることも可能でしょう。
歌詞の入ったKARタイプのMIDIデータなどを読み込んで、自動的に歌詞の流れるムービーを作ってくれるプラグインが欲しいものです。


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